オルガノ – 公益産業研究調査会／koken

『公研』2023年10月号「ひろば」 これまで、いくつかのことに、のめり込んだ。独身の20代半ばは、登山。最初は職場の同僚に誘われ、南アルプスの鳳凰三山へ。それではまり、関東の山々へ単独行を始め、大正、昭和の登山家のを読み耽り、谷川岳一ノ倉沢や北アルプス北穂高滝谷の岩壁登攀をやりたくなり、知識と技術が必要と、東京都内の二つの山岳会に入会した。一つは岩壁、冬山、氷壁専門の会で、リーダーから色々なことを教わった。もう一つは、海外遠征や厳冬期北アルプス黒部周辺の第二登記録等を狙う先鋭的な会で、通ううちにレベル差を感じ、前者の会のみにした。御陰でまだ生きている。 次は、父兄としての手伝いが切っ掛けとなった、中学硬式野球の審判である。どうせやるなら確かな技術を身に付けたいと、独学の限界を感じ始めた頃、代表的リーグの連盟本部付審判員の末席に連なる機会を得た。そこは、当時、国内にあった七つの連盟中、歴史と規模の点で主たる連盟で、審判の組織・運営は厳格で、技術に関しても非常に高いレベルにあり、自分の所属する支部、関東の連盟の審判諸先輩、時には高校、大学、社会人、プロ野球の各審判の方々から、技術指導を頂いた。御蔭で、自分などには尚早なその連盟の全国大会やジャイアンツカップという中学硬式野球七団体の頂点を決める大会の審判員という貴重な経験もさせていただいた。 次に、ロードバイク（自転車）にはまり、これも単独で週末、数十～百五十キロと走っていたところ、自転車に詳しい人と知り合うことができ、その方がリーダーのチームで、筑波サーキットでの８時間耐久レースのクラス別に２年出場。２回目は３位で、生まれて初めて表彰台に上がり、メダルを首にかけていただいた。 定年再雇用後は大型バイクデビューし、一人、映画『イージー・ライダー』を気取り、走っている。中でも北海道は、日本離れした道路事情に強く惹かれ、毎夏、ただ走ることを目的に訪れている。 そして、中学から60代後半の今も好きなものがギターで、ジャンルは、60年代から70年代洋楽ロック、ブラックミュージック、クロスオーバー、ジャズ。聴くのは毎晩、弾くのは、週末位か。 大学以来のギター親友が、ジャズのセッション活動をしており、数年来「諦めるな。しかし、俺はこのレベルまで10年掛かった。お前に残された時間は少ないぞ」と言われている。今、自室の寝るスペース以外を埋め尽くす楽器達に「ちゃんと演奏してやらねば」と、想うばかりの日々である。 オルガノ プラント本部 社会インフラ事業部 電力ビジネスユニット 営業グループ 小嶋 仁

のめり込み遍歴に想う【小嶋仁】