坂田興 – 公益産業研究調査会／koken

『公研』2023年6月号「interview」 日本が直面するエネルギー安全保障とＣＯ２排出量削減において、水素はどう貢献できるのか。コストや技術的な課題は克服できたのか。日本の取り組みと実績、水素が普及する社会へのビジョンなどについて、お話を伺った。 エネルギー総合工学研究所アドバイザリー･フェロー 坂田 興 さかた こう：1972年東京大学理学部化学科卒、74年同大学院理学系研究科化学専攻課程修士課程修了、日本石油（現ENEOS）入社。中央技術研究所に配属、85-87年カナダ・ブリティッシュコロンビア大学客員研究員、中央技術研究所研究管理室長、2003年（一財）エネルギー総合工学研究所に出向、09年転籍。同プロジェクト試験研究部部長、プロジェクト試験研究部特任参事、研究顧問を歴任。23年より現職。20-22年（一社）水素エネルギー協会会長。 世界に先駆けた日本の水素プロジェクト ──今カーボンニュートラルで水素が注目されています。坂田さんはどういうところに注目して研究されているのでしょうか。 坂田 私は石油会社の出身ですので、地球全体のエネルギーの流通を重要視する見方がバックグラウンドにあります。水素エネルギーシステムの研究に関して、我が国では「ＷＥ─ＮＥＴ（World Energy NETwork）」というプロジェクトがありました。経産省──開始当時は通産省・工業技術院のプロジェクトです。まず、世界各地に賦存する再生可能エネルギーを利用して、電気分解により水から水素を製造します。その水素を輸送可能な媒体に変換しエネルギー消費地に輸送し利用する、世界規模のネットワーク構築をめざすプロジェクトでした。ネットワーク構築に必要な中核的要素技術の開発とシステム設計を総合的に推進し、当初の予定では、１９９３年から98年（第Ⅰ期）、99年から２００３年（第Ⅱ期）、04年から20年（第Ⅲ期）──約30年をかける国家プロジェクトとしては異例の長期計画でした。Ⅰ期とⅡ期にそれぞれ予算約１００億円を費やしましたが、第Ⅲ期は実行されず終了しました。１９９３年にＷＥ─ＮＥＴのプロジェクトがスタートした際に、統括機関をエネルギー総合工学研究所の中に置くことになり、ここから当研究所での水素の研究が始まったということです。 実は、私がこちらへ出向した２００３年４月はＷＥ─ＮＥＴが中断した直後でした。このため私の水素に対する関わり方も、地球全体でのクリーンエネルギーの輸送手段としての水素ということから入りました。したがって、そこに一番興味がありますね。 ──水素はどういうかたちでの輸送を考えていたのですか。 坂田 液化水素です。カナダの水力で発電した電気を用いて水の電気分解により水素を製造し、現地で液化水素にしてタンカーにより日本に持って来るという構想でした。プロジェクト開始に先立つ予備検討の段階では、アンモニア、メタノール、メチルシクロヘキサン（ＭＣＨ）などの有機ハイドライド、液化水素の四つを検討しました。この中で、性能に加えて水素キャリアとして研究余地があるということも勘案して液化水素を選んだと聞いております。 ──液化水素は扱いが難しいですね。高い圧力をかけないと液体にならないのでは？ 坂田 水素は永久気体ですので、圧力をかけても液化しません。問題は液化水素の沸点が非常に低いことで、マイナス２５３℃に冷却しないと液化しません。ＬＮＧ（液化天然ガス）の沸点はマイナス１６２℃ぐらいですが、液化水素の沸点はさらに90℃ぐらい低い。そのため、液化には技術とエネルギーを要することになります。 ──その研究はどこまで進んだのですか。 坂田 ＷＥ─ＮＥＴの研究の中で相当進みました。液化水素の製造技術はドイツのリンデ社等が優れていました。その他に、アメリカはスペースシャトル打ち上げ用のロケットエンジン──液化水素と液化酸素を混ぜて燃やす──開発で液化水素の研究が進んでいました。それらの成果を基に、液化水素用のタンカーや液化水素タンクの開発を行いました。現在、川崎重工業様がオーストラリアから水素を日本に持って来るプロジェクトで液化水素を取り扱っていらっしゃいますが、その土台を作ったという感じです。 ──現状では、アンモニア、ＭＣＨといった、要するに扱いが簡単なほうが主流と言うか、盛んに言われていますね。 坂田 水素は運びにくいからですね。日本でも研究や製造現場でたくさん水素を使っていますが、これは通常、高圧水素で赤いガスボンベで運ばれます。なお、日本国内で一番水素を使っているのは、石油の精製工程です。製油所では所内でナフサ等を分解して水素を製造し、脱硫などの工程でものすごい量を使っています。ただ、製品として１グラムも外には出さないという状況です。ですから、商品として外に持っていこうというときには、だいたい高圧ガスボンベを利用することになります。この17年ぐらいで、岩谷産業様が液化水素で運ぶシステムを構築して実装するようになったという状況です。 日本の基幹エネルギーとして水素を大規模に使用する場合に、国内で水素を生産して配送すると高価になってしまいます。ということで考えたのは、海外で水素を製造することです。この水素を液化水素、有機ハイドライド、アンモニア、メタネーション──水素と産業排出のＣＯ２を反応させてメタン化し既存の天然ガス網に注入──のうちどれかのかたちで我が国に輸送します。そうすると、今あるＬＮＧタンカー、ケミカルタンカーまたは開発中の液化水素タンカーで日本まで運ぶことは可能でしょう。特にアンモニアはほとんど常温で少し圧力をかけると液体になりますから、非常にハンドリングが楽ですね。 だから、水素をハンドリングが楽なアンモニア等にして火力発電の燃料として使うという手法が検討されています。ただ、アンモニアには二つ問題があると考えています。一つはアンモニアの毒性です。工場内・発電所内だけで使うのならよいのですが、街中に出回るのは危ないと思います。もう一つは、アンモニアから水素を作ろうとすると、アンモニアの分解反応が高温になることです。 それで、アンモニアをそのまま燃やしてしまおうというのが、直接利用です。例えば、石炭火力発電所のボイラーに石炭と一緒にアンモニアを入れることは、国内でもやり始めています。ただ将来的には、アンモニア混焼をする石炭火力発電所が減ることが予想されます。それならばアンモニアをそのまま燃料として燃やしてガスタービンを回して発電する、あるいは燃料電池の燃料として利用するのはどうかということになります。企業、公的研究機関や大学で研究が進んでいますが、商業的な実用にはまだ至っていません。ですから、アンモニアも一長一短で、これと言う決め手はまだないのが悩みです。 多くの技術的課題は克服されている ──水素そのものを直接使えれば一番よいのですね。昔から水素ガスには金属を脆くさせる性質があって、エネルギー源としてのポテンシャルは高いけれど扱いが難しい、という印象があります。 坂田 水素を燃料あるいはエネルギー媒体として使おうということは、日本ではだいたい50年ぐらい前から考えられてきました。私が会長を務めた「水素エネルギー協会」も今年で50周年を迎えました。それでも水素を燃料として大量に燃やそうという議論は、当時は少数派であったと聞いています。水素を燃料として使おうとすると、いくつか問題があるからです。化石燃料と比較すると、他の物質から作るので、どうしても高価になります。 それから、ご指摘の通り、特に高圧で金属に触れさせると、水素分子は小さいので金属の中に潜り込んで脆化──金属の靭性を低下させて壊れやすくしてしまうという問題があります。ＷＥ─ＮＥＴでもその辺を集中的に研究しました。その結果、水素脆化を防ぐ金属が見つかっています。例えば、ステンレスでもクロムとニッケルの含有量が多いＳＵＳ３１６は、８００気圧ぐらいの水素にさらしても脆化はしないことがわかっています。ＳＵＳ３１６はまだ高価ですので、それより低コストの金属材料もメーカーが開発済みです。ですから、水素脆化については克服していると思います。 ──それはパイプラインなどで使う材料ですか。 坂田 水素脆化が問題になるのは、数百気圧がかかる金属容器です。パイプラインは圧力が低いので、もともと水素脆化の問題はほとんどありません。実際、アメリカやヨーロッパでは、水素をパイプラインで何百キロメートルも運んでいます。例えばアメリカでは、テキサスのガス田で水素を作ってパイプラインでメキシコ湾岸の製油所に送るようなことを何十年もやっていますので、圧力が低ければ問題ないのです。 あと、水素爆発に関しては、ＮＡＳＡ（アメリカ航空宇宙局）での研究が進んでいます。爆発や燃焼が起こるには、酸素と水素がちょうどよい割合──空気中の水素濃度が４％以上で75％以下という条件の中で起こります。実用時には、水素濃度がこの範囲に入らないように検知器や警報機を設置し、安全を考慮したプロセスを組み立てますので、火災や爆発は起こりません。福島第一原発では、建屋が密閉していたために水素濃度が上がって水素爆発が起こったと考えられます。 水素は拡散速度が大きく非常に逃げやすい物質なので、換気口を作っておけば爆発を回避できます。水素自動車──ＦＣＶ（燃料電池車）が衝突事故を起こして水素ガスボンベが壊れた場合でも、漏洩した水素はシュッと外に拡散して終わりです。 ──近年、地下駐車場や水底・長大トンネルに水素ボンベを運ぶ（燃料電池車が乗り入れる）場合に規制があったのが緩和されたのには、そういう知見が溜まって行政の認識が改まったわけですね。 坂田 そのために ＮＥＤＯ（新エネルギー・産業技術総合開発機構）は、安全関係の実験を自動車研究所等で広範囲に実施しました。私どもも、水素の燃焼特性を把握するために水素爆発実験をやりましたが、当初は国内でやる場所がなくてアメリカでやりました。今は国内のＪＡＸＡ（宇宙航空研究開発機構）の能代ロケット実験場（秋田県）や三菱重工業様の田代試験場（秋田県）で実験することができます。多くの科学的データを取って、これならよかろうということで進んでいます。 ──水素はロケットエンジンの燃料に使っているように、うまく使えばすごいエネルギーが出るということですね。発電所で使う場合、水素だけ燃やしたほうがよいのですか。 坂田 例えば天然ガスに水素を混ぜて燃やすと、天然ガスに由来するＣＯ２が出てしまうので、水素だけのほうがＣＯ２を出さないという意味ではよいのです。ただ、水素は燃焼エネルギー（熱量）が少ないのです（図表１）。水素／メタン／プロパン／ガソリンを比較すると、水素の燃焼熱は１立方メートルあたり10メガジュールぐらいでメタンの３分の１弱です。ですから、水素で火力発電をするとなると、体積として投入量を増やさなくてはいけないことです。 ──天然ガスより値段が高い水素ガスの投入量を増やさなければならないのは経済的ではないですね。 坂田 やはりそこが大きな問題です。ただ、工学的には今のＬＮＧ発電と同じような技術で水素の発電ができるのではないかと言われています。技術開発も大幅に進んでいます。 日本の水素戦略の課題 坂田 今の日本の水素戦略は「既存の化石燃料とコスト同等をめざす」──つまり、火力発電に使っている天然ガスと水素の価格を電力量あたり同じにすることをめざすという非常に難しい目標なのです。ご質問の通り火力発電燃料としての水素をどこまで安くできるかは大きな課題です。 現在１００円／Ｎm3の水素のコストを２０３０年に30円／Ｎm3、将来的に２０円／Ｎm3にすることが目標値になっています。そうなれば、天然ガスにＣＣＳ（ＣＯ２回収・貯留）を含めたコストとほぼ同じ価格になるだろうと言っています。 ──コストが高いＣＣＳを含めてギリギリで同コストになりそうなレベルなのですね。 坂田 ですから、本当に楽な目標ではないのです。ＣＣＳについては、日本近海も含めて国内で見通しの通り安くできるのかという問題に加えてキャパシティの問題もありますので、やはりチャレンジングな問題だと思いますね。 ──水素利用は発電などの基本的に大規模なインフラで使うほうがよいとお考えですか。 坂田 私はそう思っています。２０１７年12月に当時の安倍政権は、世界初の水素に関する国家戦略を策定しました。その中で一番の問題はコストであるとして、コストを低くすることに集中した水素基本戦略です。安くするためには、供給側と利用側の両面での取り組みが必要だとしています。 供給側としては、安い地域で安い原料──具体的にはオーストラリアの褐炭（水分や不純物の多い最も低品位な石炭）から水素を作る。しかも、大量に作ってスケールメリットを出してサプライチェーンを構築する。利用側としても大規模に使ってサプライチェーンを積極的に動かしていく──ということです。 ２０００年から15年ぐらいまでは、日本で水素と言うと水素ステーション＝燃料電池自動車での利用であるということだったのですが、大量に使うという視点を導入することで、水素の自動車利用から発電／産業利用へと方針を大きく変えたわけです。ＷＥ─ＮＥＴでは第Ⅰ期（１９９３─98年）が水素発電を研究しました。第Ⅱ期（１９９９─２００３年）ではＦＣＶ（燃料電池車）用のインフラ技術を研究したので、Ⅰ期に戻ったと言うか、２０１７年の水素基本戦略は重要な転換点だったと思います。 なぜ水素発電に注目するかと言うと、仮に１００万ｋＷの水素火力発電所があったとして計算すると、そこ１カ所の水素需要量が年間30億Ｎm3、約28万トン／年です。これをＦＣＶの燃料で見ると約３００万台分に相当します。非常にたくさんの水素を使うために、自動車から水素火力発電に切り替えたのではないかと見ています。 水素を安く日本に持って来るには、大量に使う水素火力があったほうがよい。１台１台のタンクが小さい自動車の市場に入っていくのは、水素ステーション等のインフラ整備を考慮すると時間がかかるのではないかと思います。 ──大量消費家である水素発電所が立ち上がれば、大量の水素がサプライチェーンに乗って、やがて自動車向けの小売価格も安くできる体制に徐々になっていくことが期待できます。そうなれば、水素が化石燃料並みの使いやすさになる社会が見えてきますね。 坂田 それが見えないと、下流（小口）のエネルギーを扱う企業は投資できないですね。そもそも上流（大規模発電所）の投資も電力会社にとっては大きな課題であると思うのですけれども……。 ──水素関係の投資は、経済合理性よりも国が仕組みを作って、それに民間が乗っていくビジョンがよいのか、その辺についてのお考えを教えてください。 坂田 そこが最も大きい論点だと思います。今なぜ水素なのかと言うと、ＣＯ２の問題と、それからエネルギー安全保障の二つの背景があります。もともと日本は資源を中東に大幅に依存して、しかもエネルギー自給率は原発を一部稼働した現在でも12％以下ということで非常に脆弱な状況です。また、ＣＯ２排出量では非常に高い目標を掲げています。日本のＣＯ２の排出量は２０１９年で10・６億トン、全世界の排出量３３６億トンの３・１％程度です。これで頑張ってもあまり絶対量ではインパクトはないのですが、国の信義の問題になると思いますので重要です。このため、エネルギー安全保障とＣＯ２の問題は避けて通れないと思います。 そういう状況に対してどうしたらいいのか。いろいろな方法があり得ると思いますが、水素を大量に持って来て、日本全体のＣＯ２排出量削減と言うか低炭素化を進めようというのが一つの考え方です。エネルギー安全保障の難しいところは安全をどう定義──お金に換算できるか不明確である点です。それに対して低炭素化は、コストをかけることによってこれだけ減らせるということが計算できると考えられます。 海外の再生可能エネルギーは通常電力として得られます。これを海底送電線で我が国に持って来る方法が、直感的に思い浮かびます。別法としては、再生可能電力で水の電気分解を行い、それで得た水素をエネルギー運搬媒体にして持って来る方法があります。双方のコストを比較すると、海底送電線は中国大陸ぐらい距離が近ければ安いのですけれども、アメリカ西海岸や豪州からケーブルを引くのはコストが高くなり現実的ではありません。水素や有機ハイドライド（水素を液体状態で貯蔵）は、イニシャルコストは高いのだけれども、輸送距離が日本から約４０００キロメートルになると輸送コストのブレークイーブンポイントがあります。だから、近いところだったら送電線、遠くなったら化学媒体による水素という整理ができると思います。 このような水素が本当に日本あるいは世界で受け入れられるかどうかについて、統合評価モデルＧＲＡＰＥ／ＴＩＭＥＳ─ＪＡＰＡＮによって検討してみました。その結果、現在の厳しいＣＯ２排出制約条件のもとでは、水素の大量導入が経済的な解になることが示唆されました。この制約条件のもとでは、２０５０年にはＣＯ２フリー水素の新規需要は世界全体で約９４００万トン／年です。現状でも、水素はアンモニアの原料として９０００万トン／年ぐらい製造されています。それにエネルギー用途で９４００万トン／年ぐらい付け加わります。それから、日本の新規需要は１４６０万トン／年ぐらい入るということです。ＣＯ２の制約を満たそうとすると水素利用が一つの解であると考えています。 マーケット・プルが最も理想的 坂田 水素以外の技術としては、大気から直接ＣＯ２を回収するＤＡＣ（Direct Air Capture）という技術もあります。また地球温暖化を止めようとするならば、例えば火山噴火と同じようにエアロゾルみたいなものを撒くという手段もありますよ。 ──それは温暖化を止めるだけでなく寒冷化まで行ってしまう危険があるかもしれませんね。 坂田 危険でしかも実験がやりにくい。 ──シミュレーションでよい結果が出たとしても、実際にやったらどうなるかわからないですしね。 坂田 いろいろな技術の中で水素は、おそらくＣＯ２を最も安く減らすことが可能な技術の一つであると思います。逆に、水素がダメだと相当きついということになります。ということで、水素の大量導入が経済的な解になると我々は考えています。 かつて１９６０年代はアメリカや日本では大気汚染が大変な問題になって、自動車の排気ガスが規制され、発電でも燃料が石炭から重油や原油に移行しました。その後、重油焚きのボイラーも認可を受けにくい状況になりました。それで日本でも天然ガスの導入を考えたわけです。69年の秋ぐらいからアラスカから天然ガスが入ってきたのですが、石油に対して天然ガスは熱量あたりで１・７倍ぐらい価格が高かった。ただ、政府の方針として中東依存からの脱却、大気汚染への対応を考える必要があるということで、税制優遇や融資支援というかたちで政府支援をやりました。73年に石油ショックが起こって一気に石油の値段が上がり、それ以降ＬＮＧは対石油熱量費で優位に転換し、その後はほぼ均衡して推移することになりました。 先ほどの水素が日本国内で受け入れられるかということについては、経済的にＣＯ２削減目標を満たすために、国が積極的に水素を入れる働きかけをしていけば安定して入るようになるのではないかと考えています。 ──石油は炭化水素の一種です。ガソリンを改質して水素を作ることは昔から研究されています。今の燃料電池自動車は水素ボンベを積んでいますが、タンクに入れたガソリンを車内で改質して燃料電池を動かすのは、構造が複雑になりますけれど、仕組みとしてはガソリンと既存インフラがそのまま使えて便利だと思うのですが、どうお考えですか。 坂田 おっしゃる通りそれも一つのアイデアです。ただ、少なくとも今のところはメインではないですね。問題は、結局ＣＯ２が出てしまうことです。改質時にＣＯ２が出てしまうので、カーボンニュートラル的にはあまりよくない。それから改質装置を自動車に搭載するというアイデアを決して否定するものではないのですが、動作時に１０００℃近い反応温度が必要になるため、それを何百万台もの自動車に入れる怖さ、技術的な保障の難しさもあると思います。今お話にありましたガソリンではなくメタノールを改質するというアイデアはダイムラー（ベンツ）などが研究していましたし、まだ将来はどうなるかわかりません。 結局、下流のほうは、顧客が何を欲しがるかにかかってきますね。今のところ水素はマーケットに対して国がプッシュしている感じですが、新しいものが世の中に広がるときはマーケット・プルが最も理想的ですよね。 聞き手：本誌 常川幹也

低炭素社会をめざす 水素エネルギーの活用と課題【坂田 興】

低炭素社会をめざす水素エネルギーの活用と課題【坂田興】