鴻池組 – 公益産業研究調査会／koken

『公研』2024年2月号「ひろば」 ２０２３年11月26日日曜朝、「つくばマラソン」のスターラインに立っていた。前日までの秋晴れから一転、冷え冷えとした寒い朝となった。コロナもあり数年ぶりに選んだのは「つくば」。思えば11年前の初マラソンもこのレースだった。始めたきっかけは、そのころ住んでいた近所の小金井公園掲示板にランニングクラブの案内を見たことだ。子供の手が離れ、よしやってみようと思った。身体を動かすことは嫌いではなかったが、40代後半になっていた。 走るきっかけは、人それぞれだが、私は体型維持、気分転換、爽快感を得るため、フルマラソンへの挑戦は修行、心身鍛錬と思っている。年齢を経ても、チャレンジすることを忘れたくない。 ランニングクラブに入会したものの、初めて５キロを走ったら左足甲が腫れ痛みいきなり休部となった、まったくダメだったがそれからも少しずつ距離を伸ばし、半年経つ頃には20キロ走れるまでになっていた。週末は必ずクラブに参加し継続することで、走れる身体になっていった。しかし、フルマラソンは自信がなかった。 その頃クラブの仲間に誘われたのが11年前の「つくば」だった。結果は４時間弱で完走できた。毎回そうなのだが、30キロを過ぎるとなんで走っているか？ と自問自答する。ただ、ここまで来たからには完走するしかないと、闘争心も沸き起こってくる。両足が悲鳴を上げている、腰が痛い限界だ、ただただゆっくり少しずつゴールへ向かっている。 「つくばマラソン２０２３」に話を戻します。朝４時に起床し朝食、東京駅から往復バスにて筑波大学へ。寒いからか男子更衣室では到着したランナーで満杯である。９：00ウェーブスタート。速いランナーが出て行き、少し空いたスペースにて着替え完了、忘れずストレッチ、雨が降ってきたのでカッパを着用する。９：20トイレを済ませスタート地点へ進む。９：25「号砲」が鳴り響く。さあ始まった。６キロ地点、早くも疲れを感じる。14キロ、左膝に違和感。18キロ、リタイヤを検討し収容バスを探す。なんとか24キロの関門をクリアするも修行鍛錬はもう止めようと思い始める。 それでも走り続けると、33キロ関門が見えてきた。「あと２分しかない」と声が掛かる。決められたタイムまでに関門を通過しなければ、リタイヤしなければならない。ここまできたら行くしかないと覚悟を決め、見事突破。なぜか不思議と身体が動き、ゆっくりと走り続けた。大学競技場へと入った。ゴールまで１００メートルだ。６時間の制限時間ギリギリでのフィニッシュだった。 足を引きずり、帰りの最終バスへ乗り込むと、二人しかいなかった。家内へ電話したら、「ネットで見たよ。久しぶりのつくばはどうだった？」とねぎらいの言葉。終わってみれば無事完走できたこと、晩秋の筑波路が再び私を迎えてくれたようで嬉しかった。 次のフルマラソン挑戦は、「かすみがうらマラソン２０２４」から始まる。やはり修行鍛錬を続けたい。 鴻池組東京本店副本店長 中村 康二

フルマラソンに出場すること【中村康二】